千堂純子の美肌塾
人の身体には約100兆個もの菌が棲みついています。そのうち8割は腸内細菌。皮膚には1兆個、そのうち顔には80万個もの菌が存在し、これらの菌を「皮膚常在菌」と呼びます。種類は10種類以上あると言われ、大きく分けると、肌に有用に働く美肌菌と呼称される「善玉菌」、肌に悪い働きをする「悪玉菌」、美肌菌と悪玉菌の多い方の味方をする「日和見菌」の3つに分けることができます。
肌状態を決定づけるのは、実は菌のバランスなんです。肌は、紫外線や乾燥などの影響を受けると、悪玉菌が増殖しやすくなります。悪玉菌が優勢になると、美肌菌の働きが弱まって肌のバリア力が低下し、カサつきや肌荒れなどの肌トラブルにつながってしまいます。逆に、美肌菌が優勢になると肌の状態は良くなります。美肌菌は皮脂や汗を食べて分解し、天然のクリーム(皮脂膜)を生み出し、肌を潤したり外的刺激から肌を守るバリア力を高めて、すこやかで美しい肌へと導いてくれるのです。
肌の潤い成分や未成熟な角質まで洗い流す、落としすぎ洗顔は逆効果!落としすぎ洗顔で肌が乾燥し、皮脂がなかなか出てこない状態になると、美肌菌も増えません。洗顔は不要物だけを落として必要な潤いを残す洗顔料を使い、たっぷりの泡でやさしく洗うのがポイントです。そして洗顔後はすぐに化粧水で潤いを与えてあげましょう。
代表的な成分にマヌカハニーが挙げられます。優れた抗菌力で悪玉菌の活動を抑え、高い保湿力で肌に潤いを与えて美肌菌を増やします。さらにバリア機能を高め、日中の外的刺激からも肌をしっかりと守ります。
腸内の菌バランスが乱れると毒素が肌に運ばれてしまうため、ビフィズス菌やオリゴ糖を含む食品を積極的に摂って、腸内常在菌のバランスを保ちましょう。逆に、脂質や糖質を多く含む食品の摂りすぎには要注意。皮脂分泌を活発にして毛穴を詰まらせ、ニキビの原因であるアクネ菌や悪玉菌を増やす原因になります。
美肌を保つためには、美肌菌のエサを増やすことが大切です。美肌菌は汗や皮脂を食べて増えるため、日頃からウォーキングなどの適度な運動でたっぷり汗をかき、美肌菌の育ちやすい肌環境を整えましょう。また睡眠不足は菌バランスを乱す原因となるため、十分な睡眠を心がけることも美肌菌を増やすうえでとても重要です。
美肌菌優勢の肌環境を保つことが、美肌のカギということはご理解いただけましたでしょうか。季節の変わり目のこの時季は、紫外線や乾燥、過剰な皮脂などの影響を受けやすいため、肌の菌バランスが乱れがちです。スキンケアと生活習慣の改善による菌トレ≠徹底して、すこやか美肌を守り抜きましょう!